システム農学
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13 巻, 1 号
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投稿論文
  • 南石 晃明, 長野間 宏, 小柳 敦史, 土田 志郎
    1997 年 13 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2024/01/05
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文では、時間降水量を用いた作業可能時間の推定方法を提案するとともに、本手法を用いて水稲、麦、大豆の主要作業別に作業可能時間を推定する。稲の収穫作業を対象に茨城県における過去2年間の作業可能時間と対象農家の作業時間実績を比較した結果、推定方法は現実妥当を持つと思われた。また、10年間の作業可能時間推定結果の分析から、対象地においては、稲、麦、大豆の収穫作業の作業可能時間が規模拡大の主要な制約要因の1つであり、年次変動も大きく不安定であることが明らかになった。
  • (2)リン、カリウムフロー量の推定
    築城 幹典, 原田 靖生
    1997 年 13 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2024/01/05
    ジャーナル オープンアクセス
    家畜排泄物の環境への負荷の大きさを定量的に把握するためには、各畜産農家からの家畜排泄物の発生量およびそれらの利用状況に関する現状を正確に把握することが必要である。そこで本研究では、農林水産省経済局統計情報部が行っている牛乳生産費調査のデータに基づいて、酪農経営における物質循環のうち、リン(P)とカリウム(K)のフロー量を定量的に推定した。牛乳生産費調査の1985年度と1990年度の調査個票をもとに、酪農経営におけるPとKのフロー量(単位:kg/戸/年)を推定した。推定したフロー量の項目は、化学肥料中、自給および購入飼料中、牛乳中、牛体中、敷料中、ふん尿中およびきゅう肥の利用、販売、廃棄へのPとKの量である。結果は、調査農家別に推定したフロー量を、北海道と都府県について平均値で示した。酪農経営1戸当たりから1年に発生するきゅう肥中のP、K量は、北海道では1985年度が469kgP、3,775kgK、1990年度が641kgP、5,226kgKであるのに対し、都府県では1985年度が249kgP、1,596kgK、1990年度が315kgP、2,130kgKであった。化学肥料も含めた自家農耕地1ha当たりへのP、Kの推定投入量は、北海道では1985年度で50.4kgP、194kgK、1990年度で46.5kgP、196kgK、都府県では1985年度で84.6kgP、416kgK、1990年度で87.7kgP、479kgKと推定された。また、投入量と自給飼料による持ち出し量の差は、北海道では1985年度で35.1kgP、69kgK、1990年度で30.6kgP、62kgK、都府県では1985年度で54.9kgp、152kgK、1990年度で58.8kgP、230kgKと推定され、先の報告で示した窒素の場合と同様、都府県での負荷量がかなり高いことが定量的に示された。
  • 築城 幹典, 原田 靖生
    1997 年 13 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2024/01/05
    ジャーナル オープンアクセス
    日本飼養標準に基づいて、飼料の量・質や家畜の生産水準などから、排泄されるふん尿量ならびにふん尿中の窒素、リン量を推定するプログラムを作成した。入力データは、乳牛、肉用牛、豚では頭数のほかに平均体重や日平均増体量、乳量などであるが、採卵鶏とブロイラーについては、羽数のみを入力する。また、乳牛、肉用牛、豚では給与量、可消化養分総量含量、可消化粗タンパク質含量、粗タンパク質含量、全リン含量およびふんの乾物率を入力するが、豚については全リン含量のほかに非フィチンリン含量を入力する。採卵鶏とブロイラーについては、給与量、粗タンパク質含量、全リン含量、非フィチンリン含量、ふん尿の乾物率を入力する。本プログラムを用いたシミュレーションの結果、搾乳牛の乳量1kg当たりの排泄物中窒素およびリン量は、乳量が多いほど減少する傾向にあることがわかった。このことは、1頭当たりの適正な搾乳量を決定する上での参考になると考えられる。また、本プログラムを用いることで、標準と考えられる飼養条件下での、1日1頭羽当たりのふん尿量およびふん尿中の窒素、リンの原単位を求めることができる。従来の原単位と異なり、将来飼養条件や生産水準が変わった場合にも、本プログラムを用いて原単位を再計算することができ、家畜排泄物量のより正確な推定が可能となる。
技術報告
  • 二宮 正士, 遠藤 勲, 斎藤 元也, 美濃 伸之, 小川 茂男, 江渡 浩一郎, 山本 謙治, 南石 晃明
    1997 年 13 巻 1 号 p. 24-31
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2024/01/05
    ジャーナル オープンアクセス
    衛星画像を利用する研究者にとって、画像の概観を知ることや、その画像に付随する情報を知ることは研究対象の選択、研究方針の決定、雲所在の確認などにしばしば重要な作業となる。しかし、磁気テープやCD-ROMに保存される巨大な原画像をいちいち参照することは非効率的で、それらの目的には画像の精度もそこまで必要でない場合が一般的である。そのため、簡便に画像の概観や付随情報を把握可能な衛星画像カタログデータベースへの要求は高い。インターネット上の情報提供利用システムであるWWW(World Wide Web)は、容易なマルチメディアの取り扱い、機種非依存性、拡張性などによって爆発的に受け入れられ、インターネットブームの牽引車になっている。また、WWW上にデータベースを構築すれば、WWWクライアントから利用可能で、利用者は新たにソフトウエアを必要としない利点がある。そこで、そのような衛星画像カタログデータベースをWWW上に構築した。データベースのプログラムはWWWのCGIに基づくものでCおよびperl言語で記述した。衛星のカタログ画像を付随情報で検索して表示する機能と、元衛星画像を用いて行った研究履歴の登録・参照を行うための機能を持つ。前者は日本語と英語、後者は日本語で提供されている。本システムは、多くのUNIXシステムへ移植可能である。
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