抄録
衛星画像を利用する研究者にとって、画像の概観を知ることや、その画像に付随する情報を知ることは研究対象の選択、研究方針の決定、雲所在の確認などにしばしば重要な作業となる。しかし、磁気テープやCD-ROMに保存される巨大な原画像をいちいち参照することは非効率的で、それらの目的には画像の精度もそこまで必要でない場合が一般的である。そのため、簡便に画像の概観や付随情報を把握可能な衛星画像カタログデータベースへの要求は高い。インターネット上の情報提供利用システムであるWWW(World Wide Web)は、容易なマルチメディアの取り扱い、機種非依存性、拡張性などによって爆発的に受け入れられ、インターネットブームの牽引車になっている。また、WWW上にデータベースを構築すれば、WWWクライアントから利用可能で、利用者は新たにソフトウエアを必要としない利点がある。そこで、そのような衛星画像カタログデータベースをWWW上に構築した。データベースのプログラムはWWWのCGIに基づくものでCおよびperl言語で記述した。衛星のカタログ画像を付随情報で検索して表示する機能と、元衛星画像を用いて行った研究履歴の登録・参照を行うための機能を持つ。前者は日本語と英語、後者は日本語で提供されている。本システムは、多くのUNIXシステムへ移植可能である。