The Journal of JASTRO
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FCRを利用したライナックグラフィーシステムの確立
高木 等小林 英敏
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2002 年 14 巻 4 号 p. 211-219

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抄録

【はじめに】放射線治療件数の増加に伴い, 放射線治療計画の際に施行されるライナックグラフィーめ撮影と処理及びその確認の迅速さは治療業務の遂行に大きな影響を及ぼす, また, 一般フィルム撮影によるライナックグラフィーは, 極めて低コントラストであり, 画質の陶上が整まれる. これらの点を改善するための一つの方法してぱ, 放射線治療部門へFCRを導入し有効利用することである,【目的】FCRシステムの治療部門への導入による利便盤及び画質の向上を図ることを自的とした.【方法】1) ライナック装置の出力の違いによる治療照射野及び全体照射野の最適撮影条件を决定した. 2) FCRの各種パラメータGA値 (回転量), GS値 (階調シフト値), RE値 (周波数強調度) をそれぞれ変化させたときのライナックグラフィーの画質への影響を比較検討して, 各部位の最適条件を見出した.【結果】1) ライナック装置上での撮影条件は, 治療照射野が1.0MU, 全体照射野が3.0MU, であった. また, 体型の大ぎさの違いなど必要に応じて, 治療照射野が1.5MU, 全体照射野が3.5MUに変更する. 2) FCRのパラメータ設定条件は, 胸部がGA: 3.0, GS:-0.55, RE: 3.0, 腹部がGA: 3.0, GS:-055, RE: 5.0, 骨盤・椎骨部がGA: 4.0;GS:-0.55, RE: 5, 0に決定した.【結語】ライナックグラフィーにおけるFCRシステムの利用に際しては, FCRシステムの更新時に旧システムを治療部門への配置変更することにより, 低コストで利便性の向上と同時に良好な画質を得ることが可能となる.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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