The Journal of JASTRO
Online ISSN : 1881-9885
Print ISSN : 1040-9564
ISSN-L : 1881-9885
放射線治療を施行した癌患者におけるQuality of Life (QOL) の変化に関する検討
高橋 健夫町田 喜久雄本田 憲業細野 眞村田 修長田 久人大道 雅英
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 14 巻 4 号 p. 233-238

詳細
抄録

近年, 癌治療においてQuality of Life (QOL) の向上が重要な課題となっている. 放射線治療におけるQOL評価法はいまだ確立された方法がなく, また放射線治療が患者のQOLに与える影響も明らかにされていない. そこでわれわれはQOL調査票を用いて, 放射線治療が施行された患者のQOLの変化を調べ, QOLに及ぼす影響についた考察した. QOL調査票は厚生省粟原斑のrがん薬物療法におけるQOL調査票を使用した. 355例の成人癌患者を対象とし, QOL調査は治療開始時・中・終了時の3回行い評価した. 症例全体ではQOLスコアは治療終了時に改善が認められた. これは高齢者においても岡様の結果であった. また婦症照射例 (その多くがPS2-4) でQOLスコアの改善が顕著であった. 化学療法供用例や口腔内が照射された例ではむしろQOLスコアの悪化が見られた. 以上より放射線治療は高齢者やPS不良群でもQOLを損なわず治療可能であり, また姑息・対症照射鋼でQOLの改善が明らかであった. ただし化学療法併用群や口腔内が照射される例では, 注意深く治療する必要がある. 本調査票は放射線治療患者のQOL評価に有用である.

著者関連情報
© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
前の記事 次の記事
feedback
Top