The Journal of JASTRO
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進行非小細胞肺癌に対する予防的リンパ領域照射 (elective nodal irradiation: ENI) を省いた照射野 (involved-field) による加速多分割照射の初期治療成績
木村 智樹広川 裕村上 祐司権丈 雅浩兼安 祐子内藤 晃伊藤 祥子伊藤 勝陽
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2004 年 16 巻 2 号 p. 79-84

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抄録
: 【目的】局所制御の向上を目的とじた切除不能進行非小細胞肺癌に対する予防的リンパ嶺域照射 (ekective nodal irradiation: ENI) を省いた照射野 (involved-field) による加速多分割照射の初期治療成績について検討する.
【対象と方法】対象は2001年11月から2003年11月まで治療を行った切除不能進行非小細胞癌10例であった. 年齢は51~80才 (中央値75才), 臨床病期はB期1例, IIIA期3例, IIIB期6例であった. 化学療法は原則として隅時併用とし, 8例に施行した。 照射野は原発巣とCT上短径1cm以上の腫大リンパ節を肉眼的腫瘍体積とし, これに呼吸性移動及びセットアッブエラーを加味した安全域を加えた領域を含むものとした. 総線量は放射線単独で治療を行った2例で72Gyと74.6Gy, 化学療法逐次併期した1例で75Gy, 化学療法隅時併用で治療を行った6例で66Gy, 1例で72Gyであった」, 原則として1回1.5Gyを1日2回照射する加速多分割照射で行うた.観察期間は2~25ヶ月 (中央値14ヶ月) であった.
【結果】10例中3例で局所再発を認め, 2年局所制御率は49.4%であった. 照射野外の領域リンパ節再発は1例のみで, 2年領域制御率は88.9%であった。 2隼原病生存率は47.4%であった.有害事象は, 化学療法同時併用で治療した7例中3例でGrade3 (NCI-CTCver.3.0) の好中球減少を認め, Grade2, 3の肺臓炎をそれぞれ2, 1例に認めたが, いずれも軽快した.Grade2以激の食道炎は認めなかった.
【結語】Involved-fieldによる加速多分割照射は化学療法同時供用例でも, 比較的安全に施行可能であっ栂、しかし, 今後は化学療法同時併用又は放射線治療単独における至適線量の確笠していく必要があると思われた.
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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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