The Journal of JASTRO
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放射線脳障害における線量-容積-効果関係の臨床評価
斎藤 真理
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1990 年 2 巻 3 号 p. 171-179

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抄録

1980年から1987年の間に当科で扱った原発性脳腫瘍症例中, 全脳照射を行い, 照射後少なくとも5カ月以上の経過を観察出来た33例を対象とし, 放射線治療に伴う脳障害について検討した.これらの症例では58%(19/33) の高率に, CT上の器質的変化 (脳萎縮, PVL, 脳室拡大, 脳壊死) またはADLの障害を伴う放射線脳障害がみられた.放射線脳障害の発生は, 照射総線量, 線量の時間的配分, 照射時年齢, 照射後の経過観察期間のほか, 照射容積を加味した容積線量に大きく左右されることが判明した.すなわち, 容積線量が40Gy未満では障害発生頻度は1/3以下であるが, 45Gy以上では100%に発生する

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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