抄録
スタートアップ・エコシステムにおいて、近年、アクセラレーターが注目されている。既存研究では、アクセラレーターのどの構成要素が参加した企業の業績向上に影響を及ぼすことを明らかにしているが、その効果がアクセラレーターの支援によるものか、あるいは、選抜によるものかが明確でない。また、日本のスタートアップ・エコシステムを対象にした研究はまだ数が少ない。本研究では、日本のアクセラレーターとベンチャー企業のデータを用い、アクセラレーターの支援効果について、選択バイアスを調整していない設定と準実験的な設定での定量分析を実施した。その結果、選択バイアスを調整しない設定では、アクセラレーター参加・非参加企業間で有意な差が見られたが、準実験的な分析では有意な差は見られなかった。したがって、アクセラレーターの効果は、支援効果ではなく選抜効果による可能性が示された。