日本ベンチャー学会誌
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Print ISSN : 1883-4949
招待論文
伝統産地の企業家活動
―有田焼陶磁器産地の事例を中心として―
山田 幸三
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2025 年 45 巻 p. 3-18

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抄録
本稿では、伝統工芸品産地の自己革新と企業家活動の関係について、有田焼陶磁器産地の事例を基に分析する。有田では、明治維新で藩の陶磁器専売制度が崩壊すると、江戸時代の系譜を継ぐ中枢の事業者が先駆的な組織を設立して伝統技術や技能で磁器を製作し、企業家活動によって内発的に産地を再生した。バブル経済が崩壊した後、辺境の事業者は伝統様式に基づくデザインコンセプトに囚われず、外部の情報や知識を活用した新商品開発を進めた。競争の不文律が触媒となって、ファミリービジネスが主流の辺境と中枢の事業者の企業家活動による新機軸の商品開発と伝統様式を活かした磁器製作との間に循環的関係が成り立つことが産地の存続につながる。
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© 2025 一般社団法人 日本ベンチャー学会
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