日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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教育講演Ⅱ
在宅呼吸ケアの展望
―維持,継続プログラムを中心に―
塩谷 隆信佐竹 將宏高橋 仁美
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2003 年 13 巻 2 号 p. 291-297

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抄録

在宅ケアは,患者に可能なかぎりベストの生活スタイルを提供することを目的に行われ,この在宅ケアの中心となるものが在宅呼吸リハビリテーション(在宅呼吸リハ)である.在宅呼吸リハは,理学療法士あるいは看護師を中心とした多職種が関与するプログラムに基づき施行されるもので,健康関連QOLおよび運動耐容能を有意に向上させる.在宅呼吸リハは継続して実施することでその効果があがるが,在宅における継続実施率は,呼吸訓練,ストレッチ体操,呼吸筋訓練,歩行訓練,上下肢筋訓練ともに低い現状にある.在宅呼吸リハの実施率の向上のためには,運動強度を低く実施頻度を多くした low-intensity high-frequency 運動療法プログラムが理想的と考えられる.しかしながら,プログラムの内容および有効性については今後の検証が必要である.在宅呼吸リハは,患者の自宅という便利で快適な環境で医療サービスを提供でき,さらに医療費の削減につながることから今後の普及が大いに期待される.在宅呼吸リハは,生活スタイル改善の持続的プロセスであり,それは,患者がプログラムに参加した時点から始まり,フォローアップを通じて継続していかなければならない.

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© 2003 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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