抄録
本研究は、日本国内127社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を対象に、投資ステージと非財務的支援がスタートアップのEXIT成果(IPOおよびM&A)に及ぼす影響を実証的に検証した。質問票調査データに基づく分析から、投資ステージによる異なる影響が明らかになった。具体的には、早期段階の投資はスタートアップのM&Aを促進する一方で、中期段階の投資はIPO およびM&Aの両方を阻害し、後期段階の投資はIPOの実現可能性を低下させる傾向を示した。また、非財務的支援に関しては、支援強度が高まるほどEXIT成果の実現可能性が向上することが示された。特に、総務・財務支援等の4項目がIPO成果を有意に促進し、社員出向・営業支援等の4項目がM&A成果を有意に促進することが確認された。一方、人事支援・事業企画支援を含む6項目がIPO成果を、経理支援・特別取引条件提示がM&A成果をそれぞれ阻害する可能性も示唆された。これらの結果は、資源補完理論および吸収能力理論を通じて理論的に裏付けられ、CVCに関する理論的理解の深化に貢献するものである。