日本ベンチャー学会誌
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Print ISSN : 1883-4949
事例研究論文
ハイテクベンチャー創業支援に必要なキャピタル機能
増田 一之
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2006 年 7 巻 p. 43-52

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抄録
アンケート調査により、シード期のハイテクベンチャーを支援する創業支援型ベンチャーキャピタルがメンター・キャピタリストとして、エンジェルの機能を代替補完することを示し、その機能を支援時期毎に分析した。分析結果は以下の通りである。 (1)チームアップ機能 ハイテクベンチャー創業支援型キャピタルはハイテクベンチャーからパートナーとしての役割を期待されている。チームアップ機能は、研究者・起業家から選ばれる機能である。この機能は、主にキャピタリストの個人的資質・性格からなる個人的価値からなり、次いで社会的価値である「人的ネットワーク」、事業的価値である「明確な投資方針」、「当社技術とビジネス両方理解」からなる。 (2)スカウト機能 優良な研究者・起業家を見抜き選ぶ機能であり、評価のポイントは「技術の質」、「ビジネスのポテンシャル」、「創業者の素質とコミットメント」である。 (3)ハッチ機能・資金提供機能 ハイテクベンチャー創業支援型キャピタルは付加価値活動によりハイテクベンチャーに寄与する。起業前・時のハッチ(孵化)機能は、主に「資本政策策定」、「技術シードを評価しビジネス構想を示す」、「事業計画作成」からなる。 (4)コーチ機能 起業後のコーチ(育成)機能は主に「資金調達支援」、「事業計画見直し」からなる。 (5)活動の現状 ベンチャーキャピタル間で質の差が存在し、特にチームアップ機能に質の差がみられる。また、ベンチャーキャピタルの現状について、主にハッチ機能及びコーチ機能に理想と現実のギャップが存在する。
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© 2006 日本ベンチャー学会
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