抄録
日本のホスピタリティ産業は,就労人口の減少や人の流動がより激しくなる多文化共生の時代において,外国人材への期待がある。外国人材は日本で異文化適応する必要があると同時に,生活のためにキャリアを形成する。本研究において,日本に異文化適応し,当該産業におけるキャリア形成をする外国人材の人生から,意識の変容を捉え,どのような自己概念を形作っているのかを明らかにする。その目的に即して,当該産業に長期間従事する外国人材4名に半構造化インタビューを実施した。そしてそのデータを複線性のある人生の径路を時間軸で捉え,記述のモデルや,発生の記号などを考察する複線径路等至性アプローチ(TEA)を用いて分析した。その結果,4名の意識変容は,異文化適応やキャリア形成の影響を受けながら,住んでいる場所や,周りにいる人との関係性を見つめ直しながら,人生の分岐点において生起し,その度に自己概念を構築し直していたことが明らかになった。