現代監査
Online ISSN : 1883-9533
Print ISSN : 1883-2377
ISSN-L : 1883-2377
監査人の情報提供と監査報告書の長文化
蟹江 章
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 2015 巻 25 号 p. 38-49

詳細
抄録

国際監査・保証基準審議会(IAASB)による監査報告書の改革によって,監査における監査人の判断過程を透明化するために,監査報告書に「監査上の主要な事項(Key Audit Matter ; KAM)」を記載するという実務が導入されることとなった。KAMの決定に際しては,監査人と会社のガバナンス機関とのコミュニケーションが前提とされ,財務諸表の信頼性確保に関するガバナンス機関の責任が明確化された。また,監査報告のプロセスにガバナンス機関が関わりをもつことにもなった。

その一方で,KAMの記載に類似した制度を先行実施するフランスやイギリスの例を見ると,KAM記載の形式化や記載内容のマンネリ化が懸念されるため,KAM導入の目的を効果的に達成するためには,こうした課題の克服が必要となろう。

著者関連情報
© 2015 日本監査研究学会
前の記事 次の記事
feedback
Top