現代監査
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フランスにおける内部監査と外部監査の連携
蟹江 章
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2016 年 2016 巻 26 号 p. 65-74

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抄録

内部監査と外部監査は,最終的な目的を異にするために直接連携することは難しい。しかし,例えばフランスでは,それぞれの監査が固有の目的を見据えながら,監査委員会の機能を支援するという共通の目的を措定することにより,実質的かつ効果的な連携を実現することができる。

フランスの内部監査人は,会計の専門的能力の向上に努めることで,会計業務監査を通じて会計不正の防止・発見に有効な情報を監査委員会に提供することができる。会計監査役は,企業のリスク管理システムや内部統制を理解して有効性を評価し,その結果を伝達することで監査委員会を支援すると同時に,内部監査に有用な情報を提供する。

内部監査人,会計監査役,監査委員会の三者は,コーポレートガバナンスを通じて文字通りの連携を図ることができ,これによってそれぞれの監査の有効性が高まれば,企業経営の健全性の確保により一層貢献できるのである。

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© 2016 日本監査研究学会
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