現代監査
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統合報告書とアシュアランス
蟹江 章
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2022 年 2022 巻 32 号 p. 91-100

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抄録

投資や企業経営の短期志向化を是正するために,進化した企業報告あるいは新たなコミュニケーション手段として統合報告書が提案された。統合報告書の信頼性を確保する責任は作成者が負い,その信頼性をどう評価するかは利用者自身の判断に委ねられる。統合報告書に含まれる中・長期の非財務ナラティブ情報の信頼性には時間という要素が影響し,情報がカバーする期間が長くなればなるほど不確実性の影響が大きくなり信頼性が低下する恐れがある。また,信頼性を検証するアシュアランス業務が禁止的なコストのために実施できなければ,統合報告書の信憑性を高めることが難しくなる。統合報告書に対するアシュアランスのあり方については,時間という要素の影響を十分に考慮しながら,財務情報とは異なる方法も含めて柔軟に検討する必要がある。

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© 2022 日本監査研究学会
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