抄録
1.著者らは愛知県内において,1986年よりオオジュリンの標識調査を本格的に始め回収記録を増やす努力をしている。
2.愛知県における,1992年までの標識放鳥数と移動を示す回収数は9,145羽と146例であった。
3.愛知県に関係する回収のうち,放鳥後6カ月以内の短期移動回収は62例であった。
4.愛知県へのオオジュリンの渡来は,新潟県,長野県を通る本州横断ルートと,宮城県から関東地方を経由する太平洋沿岸ルートが大半を占めると考えられる。
5.回収数から本州横断ルートと太平洋沿岸ルートとの渡来数の割合を考察した。