抄録
1993年と1994年に,利根川中流域でコアジサシの繁殖状況を調査した結果,繁殖期に継続的に観察された個体は1993年,1994年ともに約100羽であった。コロニーの規模は成鳥10数羽のものから最大でも100羽とすべて小規模なものであった。営巣が確認された場所は1例を除いてすべて中州であった。環境要因,人為的要因による影響を受け易く,コロニーが小規模であったため繁殖効率が低いものと推定された。標識調査では1993年,1994年にそれぞれ32羽,18羽の雛に足輪とカラーリングを装着した。また1993年には佐波郡玉村町五料利根川のコアジサシのコロニー内において,国内初のアジサシの造巣と抱卵行動が記録された。