抄録
本稿は将来の消費を想像しそれを楽しみとして現在の効用に組み込むような消費者を想定し,このような将来を楽しみにする行動が消費者の時間割引因子に与える影響を分析した.将来を楽しみにする行動は消費者の時間割引因子を高める.しかし,割引因子の上昇度合いは一般的には時間間隔に依存し,双曲割引に代表される現在バイアスや,その逆の将来バイアスを生み出す.このような消費者は将来の消費を重視するため,よりフラットな消費計画を選好することになる.特に,将来バイアスの消費者は右上がりの消費計画を選択する可能性があるということが分かった.本稿では最適消費計画から導出される時間割引因子と実際に消費者がもつ時間割引因子が異なった性質を示すことも明らかにした.