行動経済学
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第4回大会プロシーディングス
OECD諸国における職務満足度の決定要因について
—仕事に対する「理想」と「現実」を用いて—
田村 輝之
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2010 年 3 巻 p. 242-245

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抄録

本稿では,職務満足度に関する従来の先行研究のモデルを踏まえた上で,労働者の仕事に対する「理想」と「現実」のギャップをとらえる新たな変数をモデルに追加し,OECD諸国における職務満足度の決定要因の計量分析を行った.データは,「ISSP1997」を使用し,男女別々にそれぞれ推計を行った.
主要な結果は,以下の通りである.労働者の仕事に対する「理想」と「現実」をとらえる新たな変数を考慮すると,「年収」は,男性·女性ともに決定要因としての影響が小さくなる.特に,女性の場合は,統計学的に有意な影響を与えなくなる.また,男性と女性では,職務満足度の決定要因に大きな違いがあることが確認できた.このことは,男性と女性では,理想とする「仕事像」が異なることを示唆している.

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© 2010 行動経済学会
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