行動経済学
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第7回大会プロシーディングス
企業の賃金インセンティブの及ぼす長時間労働・努力水準・勤続希望度への影響
参鍋 篤司
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2013 年 6 巻 p. 66-69

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抄録
本稿では,企業別の賃金関数を計測することで,企業内賃金分散・年功賃金・効率賃金の三つのインセンティブ指標を計算しそれらの影響を実証的に検討した.結論は,以下の通りである.企業内賃金分散指標の高まりは,努力水準を高める一方で,勤続希望度を低下させる.逆に,効率賃金指標の高まりは,努力水準を低下させる傾向のある一方で,勤続希望度を上昇させる.年功賃金指標の高まりは,努力水準及び勤続希望度双方に対して正の効果を持っている.企業が長期的な視野に立つ重要性が高い場合,年功的・効率賃金的な賃金政策が採られ,逆に,短期的な視野では企業内賃金分散を強化することが有利になることを示唆している.また成果主義賃金制度の導入理由を考慮し,プロペンシティ・スコアを用いた分析では,成果主義賃金制度の導入が残業時間を減少させることが分かった.
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© 2013 行動経済学会
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