日本気管食道科学会会報
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特集3 シンポジウム3:進行甲状腺癌の取り扱い
分化癌局所進展例を中心に
吉積 隆海老原 充佐竹 文介平尾 隆大城 貴史海老原 敏林 隆一斎川 雅久大山 和一郎
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2001 年 52 巻 2 号 p. 137-144

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抄録

群馬県立がんセンターにおける甲状腺分化癌stage III,IV症例53例(乳頭癌47,濾胞癌6)の治療および遠隔成績を検討した。手術を施行した44例の10年累積生存率は84%であった。34例は葉峡切除であったが残葉再発は1例のみであり,喉頭全摘を要した症例は2例であった。遠隔転移例の予後は不良であったが,局所再発のみの症例は長期生存が得られていた。
国立がんセンターにおける乳頭癌気管浸潤に対する手術例30症例の成績を示した。手術は全例気管ないし喉頭壁の部分切除・開窓であった。経口摂取は術後中央値7日で全例可能となり,25例で気管瘻の閉鎖が可能であった。病理学的に切除断端陽性例が13例あったが,断端再発は2例であった。遠隔転移が15例にみられ,原病死7例はすべて遠隔転移例であった。10年累積生存率は67%であった。

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