抄録
1986年から2000年までに当科にて1次治療を行ったT1, T2喉頭癌86例を対象とした。T1症例の内訳は,声門癌53例,声門上癌4例であり,T2症例では,声門癌24例,声門上癌5例であった。5年粗生存率はT1症例で88.4%,T2症例で81.2%であった。5年喉頭保存率は,T1で94.7%,T2で45.1%とT2例において有意に低下していた。初回治療で喉頭保存に失敗した症例を検討したところ,前連合および声門下に進展する症例が多い傾向にあったことから,腫瘍進展の把握が不十分であること,放射線制御困難な症例においても初回治療において放射線療法を選択していたことが考えられた。今後の対策としては,画像診断を用い腫瘍進展範囲を明確にした上で,前連合や声門下に広く進展する症例など,放射線により制御困難と考えられる症例に対しては,初回治療において喉頭部分切除術などの外科的切除を選択すべきと考えた。