抄録
学習者の科学概念の獲得と変化に関する研究は、理科教育のみならず、認知心理学や科学論においても研究対象とされている。しかしながら、そこでは、学習者の科学概念の獲得と変化について、生涯発達的な長いスパンより展望する研究がなされていない。そこで、本研究では、幼稚園の5歳児から老人ホームに通う88歳の高齢者までを対象に同一課題を用いて横断的に調査を行い、学習者の年齢や学習経験が認知にどのような違いを生じるか検討を行った。その結果、従来考えられていた以上に、学校理科学習の効果は持続的に機能している可能性があること、そして学校理科学習の副産として、公的な教育目標に明記されていないような様々な学習効果も持続的に機能している可能性があることが分かった。