日本気管食道科学会会報
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原著
上皮小体過形成の術前局在診断
篠原 尚吾菊地 正弘内藤 泰藤原 敬三足立 恒道堀 真也
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2007 年 58 巻 4 号 p. 398-403

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抄録

上皮小体過形成では全腺の探索が基本手技である。われわれは超音波検査,CTあるいはMRI,MIBIシンチが上皮小体の術前局在診断にあたり,どれほど臨床的に役立つかを19名の腎性,あるいは原発性上皮小体過形成症例で調べた。これら3つの検査における術前の局在診断率は各々53.6%,64.2%,44.9%であった。すべての検査を使えば69例中53例(76.8%)で適切な局在診断が可能であったが,甲状腺疾患が合併するとこの率は42.9%と悪化した。術前超音波検査の陽性腺と陰性腺の重量は陽性腺の方が有意に重い結果となった。しかし,この有意な重量差はCTあるいはMRIの場合では認められたものの,MIBIシンチでは認められなかった。MIBIシンチ陽性腺と陰性腺の病理組織学的検討により,上皮小体のMIBIの取り込みは腺の重量だけでなくoxyphilic cellの割合にもよることが示唆された。

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