日本気管食道科学会会報
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症例
スプーンが声門下に嵌頓した神経性食思不振症患者の1症例
松本 祐磨, 宮本 真, 中村 健大, 川田 往嗣, 甲能 直幸, 齋藤 康一郎
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2020 年 71 巻 3 号 p. 258-263

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抄録

気道異物は常に窒息の危険性がある救急疾患の一つであり,迅速に対応しなければ生命に関わる。気道異物は特に小児と高齢者に多く,一般的に気道異物は小児ではピーナッツやおもちゃが原因で生じることが多く,高齢者では義歯などの歯科関連異物の頻度が多い。今回,神経性食思不振症を既往にもつ33歳の女性が嘔吐誘発の際に使用したスプーンを誤飲したため,救急外来を受診した。その際に声門下に嵌頓したスプーンを認めたため,外来にて用手的にスプーンの摘出を試みたが,疼痛と呼吸苦の増悪により摘出が困難であった。気道確保のために気管切開術を施行し,口腔側と気管孔側と同時に回転させることで経口的にスプーンの摘出を行えた。今回の気管切開術は気道確保と異物抜去を行うために必要な処置と考えられた。気道異物は対応を誤ると致死的になる可能性もあり,異物抜去の方法を検討する前に的確な気道管理が必要と思われた。

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