2025 年 76 巻 1 号 p. 12-17
喀痰細胞診は非侵襲的で簡便に施行でき,肺門部扁平上皮癌を早期に発見できるスクリーニング方法である。肺癌症例における喀痰細胞診の検出感度は約40%にすぎないが,ハイリスク喫煙者を対象とした肺門部肺癌の検出においては有用性が示されており,推奨されている。一方,喀痰細胞診は口腔・咽喉頭といった上気道からの剥離細胞が混入するため,頭頸部扁平上皮癌が発見されることもある。今回われわれは,喀痰細胞診で扁平上皮癌が検出されたものの肺病変がなく,8年の経過を経て上咽頭扁平上皮癌と診断した1例を経験したので報告する。