抄録
本論文は,物体を包囲する仮想透視カメラ群を用いて,物体の全周囲形状のモデル化を行う新しい方法について述べている.提案法のカメラシステムは,前面のカメラ群が,物体の前面だけでなく後面も仮想的に観察し,後面のカメラ群は,物体の後面だけでなく前面も仮想的に観察するというシステムである.これにより,物体全体に広がる特徴点は単一の計測行列に記入され,この計測行列が因子分解されて,全特徴点の3次元座標が求められる.提案法は,リハビリテーションの分野でしばしば解析対象となる,椅子からの人の立ち上がり動作の立体モデル化に適用され,満足のいく結果が得られた.