抄録
本論文では,喉頭展開における手技を学習者に指導するための,外装型触力覚提示装置(Outer-Covering Haptic Display, OCHD)を用いた誘導手法の効果について述べる.喉頭展開とは,喉頭鏡と呼ばれる器具を用いて患者の口を開き,気道や声門を確保する医療行為の一種である.OCHDは,喉頭鏡を握る手の甲に触力覚を与えることによって,学習者の手に,その動かし方を誘導する力を提示する装置である.本手法の有効性を確認するために,OCHDによる方法,アクチュエータで喉頭鏡を直接駆動することによって誘導する方法,そして視覚的情報提示によって誘導する方法を比較した.その結果,OCHDを用いた方法が最も高い学習効果が得られることが示された.