バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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ピクチャーパスワードへの 行動的特徴量付与による生体認証手法の実用性評価
星野 裕樹納富 一宏斎藤 恵一
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 18 巻 1 号 p. 11-17

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抄録

近年,スマートフォンの普及率は年々増加傾向にあり,端末内では個人情報を含め た様々な情報が扱われ,セキュリティの重要性が高まっている.現在のスマートフォンでは, 他人に悪用されないためにロック機能が搭載され,パスワード認証やロックパターン,指紋 認証などが使用されている.ロックパターンにおいては,覗き見によるパスワードの盗難や, 画面に触れた際に残る残留物からの軌跡の推測など,パターンを読み取られる危険性がある. そのため,以前から,ロックパターンにバイオメトリクス認証(トレース操作とデバイスの 傾き)を組み合わせたセキュリティの強化法の開発を試みてきた.ロックパターンと同様, ユーザが手軽に認証を行える手法として,我々はMicrosoft Windows8 に搭載されている「ピ クチャーパスワード」にトレース操作時の軌跡とデバイスの傾きに基づく行動的特徴量を付 与することで拡張を行った.また,学習と判別には自己組織化マップ(SOM)を用いた.そ の結果,ロックパターンのセキュリティを向上させる可能性が示唆された.本稿では,拡張 ピクチャーパスワードの実用性を確認するため,自己組織化マップによる評価実験について 述べる.

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© 2016 Biomedical Fuzzy Systems Association
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