バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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クリティカルシンキングプロセスにおける気づきに関する研究
門司 真由美
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2017 年 19 巻 2 号 p. 39-51

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抄録

看護実践場面におけるクリティカルシンキング(批判的思考)を発動させる状況において,実務経験1 年未満の看護師と実務経験5 年以上の看護師による指摘の違いを検討した.その結果,看護場面によってはベテランと新人に差が見られたが,総じて,ベテランが指摘しやすい場面は新人も指摘しやすい傾向であることが示唆された.ただし,ベテランは新人に比べて的確な判断が早くでき,おしなべて平均的に正しい気づきができることが明らかになった.また,ベテラン・新人ともに気づきにくい看護場面も明らかになった.その場面については,医療事故を起こさないためにも,日ごろから意識して看護実践を行う必要がある.

看護実践能力を高めるには,看護基礎教育で基本的な看護学の専門的知識を習得させ,演習や臨地実習において,自律的で内省的練習を行うような教育方法の工夫の必要性が示唆された.

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