バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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タッチパネルを用いたリアルタイム情動評定法の作成
吉田 暁福川 康之石井 康智
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2019 年 21 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

近年,ユーザーインターフェース機器を用いて情動体験をリアルタイムに評定する方法が注目されている.本研究では,このような評定法を実験室の外でも利用可能にするため,スマートフォンやタブレットに搭載されているタッチパネルディスプレイを用いた情動のリアルタイム評定法を開発した.さらに,International Affective Picture System(IAPS)感情画像を用いた検証実験を行い,タッチパネル評定値の妥当性と有用性について検討した.その結果,1)IAPS のオリジナル得点とタッチパネルによる情動評定値には強い正の相関が認められた.2)呈示された刺激に対するタッチパネル操作の反応潜時は,他のユーザーインターフェース機器を用いた先行研究と同様の傾向を示した.3)タッチパネル評定値は刺激呈示開始から3 秒程度の時点からIAPS のオリジナル得点との強い関連を示し始めることがわかった.これらの結果から,タッチパネルを用いたリアルタイム評定が,少なくとも静止画像刺激に対する測定場面では妥当かつ有用であることが示唆された.

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© 2019 Biomedical Fuzzy Systems Association
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