2019 年 21 巻 2 号 p. 37-45
看護は,情報依存型の専門職と言われており,質の良い看護を提供するためには,ICT 機器操作を修得し,適切な情報を見極め,活用できる能力を身につけることが必要である.しかし,看護職員は,情報教育が相対的に不足しており,PC に対する知識不足とそこから生じる恐れや不安など負の情緒反応から苦手意識が定着し,PC 離れに繋がっているのではないかと考えた.
本研究では,A 大学病院の1 年目看護職員を対象に,ICT スキルとコンピュータへの不安,看護実践能力との関連を明らかにすることを目的とし,調査を行った.その結果,看護職員はICT スキルが高いほどコンピュータ不安は低く,看護実践能力が高い(p<.001)ことがわかった.ICT スキルなどを含めた情報教育は,コンピュータ不安の低減に有効であり,看護実践能力の向上に繋がる可能性があることが示唆された.