本研究の目的は,病棟勤務の看護師が実践する口腔ケア時の観察の実態と要因を明らかにすることである.口腔ケア時の観察の視点,歯科医・歯科衛生士との連携,アセスメントシートの使用経験に関する項目を含む質問紙を研究者が作成し,有効回答334 名のデータを分析した.その結果,「唾液と歯痛の観察を行っている看護師が半数に満たない」・「所属する診療科によって観察状況が異なる」ということがわかった.また,口腔ケア時の観察には,「看護師の年齢」や「看護経験年数の長さ」,および「歯科医・歯科衛生士との連携が有意な観察をもたらす」ということがわかったが,一方口腔アセスメントシートの項目では,「OAG の使用経験が歯痛の観察に有効である」ということのみが関連し,他の項目やOHAT の使用経験は口腔ケア時の観察に関連しないことがわかった.本研究では,口腔ケア時の観察を確実に行いケアの質向上を図るためには,口腔ケアに関する教育や実践環境への取り組みが必要であると考えられた.