バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
Print ISSN : 1345-1537
ISSN-L : 1345-1537
22 巻, 2 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 2020 年 22 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー
  • 2020 年 22 巻 2 号 p. Toc1-
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー
  • 紙谷 恵子, 秋永 和之, 晴佐久 悟, 吉田 理恵, 内田 荘平
    2020 年 22 巻 2 号 p. 1-9
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,病棟勤務の看護師が実践する口腔ケア時の観察の実態と要因を明らかにすることである.口腔ケア時の観察の視点,歯科医・歯科衛生士との連携,アセスメントシートの使用経験に関する項目を含む質問紙を研究者が作成し,有効回答334 名のデータを分析した.その結果,「唾液と歯痛の観察を行っている看護師が半数に満たない」・「所属する診療科によって観察状況が異なる」ということがわかった.また,口腔ケア時の観察には,「看護師の年齢」や「看護経験年数の長さ」,および「歯科医・歯科衛生士との連携が有意な観察をもたらす」ということがわかったが,一方口腔アセスメントシートの項目では,「OAG の使用経験が歯痛の観察に有効である」ということのみが関連し,他の項目やOHAT の使用経験は口腔ケア時の観察に関連しないことがわかった.本研究では,口腔ケア時の観察を確実に行いケアの質向上を図るためには,口腔ケアに関する教育や実践環境への取り組みが必要であると考えられた.

  • 前田 康成
    2020 年 22 巻 2 号 p. 11-20
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー

    食品ロスは世界中で大きな問題になっている.従来研究において料理レシピの推薦方法が数多く提案されているが,食品ロスによる総コストは最小化されていない.本研究では,食品ロスの総コストを最小化する料理レシピの推薦方法を動的計画法によって実現する.食材シソーラスを使って既存レシピ中の食材を他の食材で代替することによる新しいレシピ生成を伴うレシピ推薦方法を提案し,提案方法の有効性を実験によって確認する.実験によって,提案方法の食品ロスが経験則による推薦方法の食品ロスよりも小さいことが確認できた.提案方法は家庭の食品ロスの削減に寄与することが期待される.提案方法の最適解は理論的限界でもあり,理論的限界は他の推薦方法の評価に利用できる.提案方法のヘルスケアへの応用は今後の課題である.

  • 前田 康成
    2020 年 22 巻 2 号 p. 21-32
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー

    日本農業では収入の増大が必要とされている.農業における収入の最大化については従来から数多く研究されている.ある従来研究では輪作における収入を作物の価格が変動しないという仮定のもとで最大化している.しかし,一般的に作物の価格は変動するものである.そこで,本研究では作物の価格がマルコフ連鎖に従って変動するという仮定のもとで輪作における収入を最大化する.収入の最大化には動的計画法を利用する.提案方法の有効性をいくつかのシミュレーション例で示す.提案方法の収入は比較対象よりも大きく,提案方法による変動価格に応じた適応的な作物選択が確認された.提案方法の最適解は理論的限界でもあり,理論的限界は他の輪作方法の評価に利用できる.提案方法はスマート農業における意思決定の自動化への貢献が期待される.

  • 阿部 研二, 德田 洋祐, 内田 信二, 高橋 克茂, 本田 純久, Doosub JAHNG
    2020 年 22 巻 2 号 p. 33-40
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー

    日本の労働災害の減少に,職場で進める安全衛生活動が貢献している.しかし,これまで安全衛生活動を評価する手立てがなかった.活動の維持,活発化には組織内のコミュニケーションが欠かせない.組織のコミュニケーション状況を測定するため,インタフェースの概念で汎用化したTeam Communication Interface QuestionnaireTCIQ)が提案されている.TCI の概念を基本として職場の安全コミュニケーション状況を測定する質問票としてSafety Communication Interface Questionnaire SCIQ)を開発した.本研究ではA 社を対象に質問票調査と職場巡視を合わせて実施し,SCIQ について信頼性と妥当性を検討するとともに,安全コミュニケーションの視点から安全衛生活動の評価を試みた.調査対象は2 事業所,115 人(平均年齢48.3 歳)であった.SCIQ のインタフェースごとに求めたCronbach のα係数は,危険予知活動0.764,ヒヤリ・ハット活動0.815,4S 活動0.765,指差し呼称活動0.807,挨拶運動0.755 であった.SCIQ は信頼性を有すると考えられる.

  • 三重 和憲, 山本 康弘, 伊藤 由美, 斎藤 恵一
    2020 年 22 巻 2 号 p. 41-52
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー

    本研究では入院時に得られる情報を用いてNICU およびGCU の入院日数を予測する重回帰式を構築し,テストケースを用いて予測式の交差妥当性を検証することを目的とする.対象はNICU・GCU 入院患児1280 例とし,Hold-Out 法にてモデル構築ケース1149 例とテストケース131 例に分割した.入院時点で得られる情報を説明変数とし,退院までの入院日数を目的変数とする階層的重回帰分析を行い,得られたモデルからAIC の値を求めて最適な統計モデルの選択を行った.選択されたモデルの説明変数として,入院時体重,在胎日数,入院時頭囲,アプガースコア1分,アプガースコア5 分,産科的異常の有無,経腟分娩・帝王切開分娩,初産・経産が得られた.テストケースにて実入院日数と予測入院日数を比較した結果,有意差を認めず高い相関を示したことから,当該施設の対象における交差妥当性が支持された.

  • 中島 富有子, 原 やよい, 晴佐久 悟, 黒木 まどか, 青木 久恵, 窪田 惠子
    2020 年 22 巻 2 号 p. 53-58
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,精神疾患患者を対象に嚥下訓練として行ったパタカラ体操の効果を明らかにすることである.入院治療を受ける精神疾患患者に,6 ヶ月間,パタカラ体操を毎日行った.パタカラ体操導入の前後に口腔機能測定機器を用いて,「パ」「タ」「カ」の発音回数を測定した.その結果,精神疾患患者31 名の測定したデータを分析した. 研究対象の精神疾患患者は,「パ」「タ」「カ」の発音回数が低く,口腔機能低下の状況が考えられた.6 ヶ月間のパタカラ体操の効果として,「パ」「タ」「カ」の発音回数が有意に向上していた.「パ」「タ」「カ」の発音回数は,1 つの発音回数が多いと他の発音回数が多くなる傾向があった.精神疾患患者がパタカラ体操を続けることで,嚥下状態が向上する可能性が示唆された.

  • 松本 義之, 井上 仙子
    2020 年 22 巻 2 号 p. 59-66
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー

    従来,旅行に関する情報は,旅行雑誌・テレビ・旅行代理店などから収集していた.しかし,現在においては,観光・行楽情報を収集する手段として,インターネットを利用する事が当たり前となってきている.また,観光地を訪れた来訪者が,その体験・感想をblog SNS などを使って情報発信している.そのため,観光推進・地域振興を行うためにはWeb 上での情報収集・情報発信が不可欠である. 本研究では,Web 上に存在する膨大なデータから,観光推進や地域振興などで活用するために地域情報を収集し,その中からテキストマイニングを利用して有益な知見・知識を抽出する事を目的としている.我々は,SNS の中でも特に速報性・拡散性が高いTwitter に着目した.Twitter は,手軽に情報発信が可能であり,様々な知見を得るのに適していると考えられる.そこで本研究では,下関市周辺で投稿されたデータを収集し,その中から観光に関するデータを抽出することで,観光に関する知見を得る事を目的としている.SNS の中で話題になる観光地は,従来の観光地と異なる可能性がある.下関周辺で投稿されたツイートデータを収集し,新たな観光資源を見つけ出せるかどうかを考察する.

  • 橋口 泰一, 大嶽 真人, 伊佐野 龍司, 坂本 宗司, 菅野 慎太郎, 村上 重雄, 内田 若希
    2020 年 22 巻 2 号 p. 67-74
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー

    本研究は,視覚障害児のスポーツ体験プログラムに参加したボランティアに,介助支援以上の機能の必要性が示唆されている現状を鑑み,ボランティア自身の認識および今後のボランティアの参画の在り方に向けた基礎的な資料を得ることを目的とした.ボランティアから得られた75 の有効回答を分析した結果,ボランティア自身が捉えた「トレーニングプログラムにおける参加児童の相互作用の変化」として12 カテゴリー,「トレーニングプログラムを通じてのボランティア自身の変化」として11 カテゴリーが作成された.これらの結果を「非日常と日常」「受動的と能動的」の二軸のマトリクスを用いてボランティア全体との関係性を検討したところ,「能動的と非日常」に位置づくことが明らかとなった.さらに,「受動的と能動的」を構造的に捉えることで,今後のボランティアには眼前の現象の出立に至る意味や価値を捉える高次の認識と障害に対する専門的な知識に加えて,パフォーマンス発揮を促すコーチングに必要な専門的知識の必要性が示唆された.

  • 秋永 和之, 紙谷 恵子, 吉田 理恵, 晴佐久 悟, 内田 荘平
    2020 年 22 巻 2 号 p. 75-83
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/21
    ジャーナル フリー

    看護師の口腔ケアに関する知識・意識・自信を調査し,各診療科で比較することを目的にした.2018 7 月から8 月に4 病院に勤務する看護師435 名を対象にアンケート調査を実施した.口腔ケアに関する知識,意識,自信のレベル,口腔関連に関する知識レベルを,0~100%スケールにより測定し,一元配置分散分析を用い診療科間で比較した.351 人の看護師(20,女331 )より回答を得た.知識,意識,および自信の平均パーセンテージは,各48%,76%,54%であった.栄養および口腔機能に関する知識レベルの平均割合は(69~84%)と高かったが,口腔細菌に関する知識レベルの平均割合は(36~75%)と低かった.緩和ケア病棟の知識,意識,および自信は,他科に比べ高い傾向であった.対象の看護師は,口腔細菌に関する知識レベル,口腔ケアの実施に関する自信レベルが低く,診療科別で口腔ケアに関する知識,意識,および自信に差が認められたことから,それらの問題点を考慮した口腔教育プログラムを開発する必要性が示唆された.

feedback
Top