バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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ISSN-L : 1345-1537
スポーツボランティアの位置づけに関する探索的研究 〜視覚障害児のスポーツ体験プログラムを対象として〜
橋口 泰一大嶽 真人伊佐野 龍司坂本 宗司菅野 慎太郎村上 重雄内田 若希
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2020 年 22 巻 2 号 p. 67-74

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抄録

本研究は,視覚障害児のスポーツ体験プログラムに参加したボランティアに,介助支援以上の機能の必要性が示唆されている現状を鑑み,ボランティア自身の認識および今後のボランティアの参画の在り方に向けた基礎的な資料を得ることを目的とした.ボランティアから得られた75 の有効回答を分析した結果,ボランティア自身が捉えた「トレーニングプログラムにおける参加児童の相互作用の変化」として12 カテゴリー,「トレーニングプログラムを通じてのボランティア自身の変化」として11 カテゴリーが作成された.これらの結果を「非日常と日常」「受動的と能動的」の二軸のマトリクスを用いてボランティア全体との関係性を検討したところ,「能動的と非日常」に位置づくことが明らかとなった.さらに,「受動的と能動的」を構造的に捉えることで,今後のボランティアには眼前の現象の出立に至る意味や価値を捉える高次の認識と障害に対する専門的な知識に加えて,パフォーマンス発揮を促すコーチングに必要な専門的知識の必要性が示唆された.

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© 2020 Biomedical Fuzzy Systems Association
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