プログラミングスキルの判定では, 作成されたソースプログラムのスタティックな解析だけでは精緻な判定が困難となる可能性が高い. ソースコーディングにおける編集過程では, キーボード打鍵のタイミングやプログラミングスタイルによる表記・表現の違いなど, 特徴的な動作が観測できるものと考えられる. 本稿では, コーディングシーケンスの記録データから抽出できる値を分析することで, 精緻なプログラミングスキルの判定が可能であるかを実験により検証した. 実験の結果, ①コーディングシーケンスを基に抽出した 30 秒以上の無操作時間の合計, および②変数・関数名に利用される文字数の平均がプログラミングスキルと弱い相関があることが確認された. このことから, コーディングシーケンスにより抽出される値による分析は精緻なプログラミングスキル判定に活用できると考えられる.