抄録
[目的] 一次脳卒中センター(Primary Stroke Center:以下PSC)認証が急性期脳卒中診療の治療時間および患者転帰に与える影響を明らかにする.[方法] 2018 年4 月~2021年3 月に,A 病院でrt-PA 静注療法または経皮的血栓回収術を受けた82 例を対象とし,PSC認証前後の2 群間で比較した.時間的指標として,来院から画像検査開始(Door to Image Time:DIT),rt-PA 開始(Door to Needle Time:DNT),動脈穿刺(Door to Puncture Time:DPT),再開通(Door to Recanalization Time:DRT)までの時間を解析した.患者転帰は3か月後modified Rankin Scale(mRS)を用いて評価した.[結果] PSC 認証後,診療プロトコールの統一によりDIT(p=0.022),DNT(p=0.001),DPT(p=0.029)が有意に短縮した.一方で,DRT および3か月後mRS に有意差は認めなかった.[結論] PSC 認証は診療プロセスを改善し治療開始時間の短縮に効果があることが示唆された.今後,さらなる治療時間短縮へ向けた取り組みを継続すると共に,患者予後に影響を与える要因の解明が期待される.