日本醸造協会誌
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解説
魚醤油のヒスタミン蓄積機構と除去法について
里見 正隆
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2012 年 107 巻 11 号 p. 842-852

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抄録

CODEXにおいて魚醤油のヒスタミンの基準値は400ppmに設定される予定であるので,魚醤油のヒスタミンの低減は重要である。著者は魚醤油のヒスタミンがTetragenococcus halophilusのピルボイル型ヒスチジン脱炭酸酵素により,ヒスチジンから生成されるので,ヒスタミン非生成のT. halophilusスターターとショ糖を魚醤油諸味に添加することにより,ヒスタミンを低減できることを明らかにした。さらに,魚醤油にベントナイトを2%添加することにより,ヒスタミンを約20%低減できるが,前者の技術の方が経済的に有効であることを明らかにしたので,解説いただいた。醤油,味噌醸造におけるヒスタミン生成菌は魚醤油と同様であるので,多いに参考にしていただきたい。

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