2020 年 115 巻 10 号 p. 604-608
1.亜麻仁粕を麹菌Aspergillus oryzaeで36時間発酵させるとシアン化合物が低減した。
2.そのメカニズムを探るため,亜麻仁に含まれるシアン化合物のひとつであるリナマリンを麹化亜麻仁粕から得られた粗酵素と反応させたところ,リナマリンが反応時間に応じて分解されることが観察された。リナマリンの分解は100℃で10分加熱した粗酵素や麹化していない亜麻仁粕から得た粗酵素では観察されなかった。
3.これらの結果から,亜麻仁粕のシアン化合物は,麹化すると,麹菌の生産する酵素によって分解されるというメカニズムが推定された。