日本釀造協會雜誌
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清酒の膨脹係數に就て
山本 宇三郎
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1941 年 36 巻 1 号 p. 78-70

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抄録

1.清酒の膨脹係數を調査するため吟釀酒及並酒142點より得たる試料7種に就き, 5, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 54及60度の各温度に於ける, 各試料1g當りの容積を調査した。
2上記調査より15度に於ける容積を1.00000とし,各温度に於ける容積係数の平均値を算出した。
3.此の結果,容積係數と温度との關係は式示することが出來ることを發見し,實驗式として次の2次式を得た。
容積係敷V=0.995806+2.1885×10-4t+4.05×10-6t2
容積係数Vは15°に於ける容積を1.00000とした場合の係數である。
從てt度に於ける容積Vtは15度に於げる容積V15に渉度の容積係数を乗じたものである
Vt=V15×(t度に於ける容積係数)
Vt=V15×(0.995806+2.1885×10-4t+4.05×10-6t2)
4.0度零り60度に至る各温度に於ける容積係數を上式に体り算出し之を表示した。(第9表)
5.t1よりt2に温度が變化した場合,清酒の膨脹又は牧縮する量は容積係数表を使用すれば簡便である。
膨脹又は牧縮量=(t2に於ける容積)-(t1に於ける容積)
膨脹又は牧縮量=(t1に於ける容積)×(t2に於ける容積係數)/(t1に於ける容種係數)-(t1に於ける容積)

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