日本釀造協會雜誌
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白糠醪の研究白糠醪濾液の比重に就て
山田 正一
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1942 年 37 巻 3 号 p. 210-209

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抄録

1. 白糠醪濾液の比重は存外大で恰も殘糖があつてそうなる樣に見せるが特に酸敗醪等の場合醗酵終末點に於てボーメ3度等を示し糖の喰ひ切れが惡い感のあるものも其の比重に影響する眞の因子は寧ろ中和時生ずる絮状の沈澱物に負ふ所が大である事を認めた。
2. 此の絮状沈澱の本體は糖分から酸性に於て浸出されたフイチンである。
3. 白糠醪濾液の酒精定量時は突沸を防ぐ方法として中和後數枚の小紙片を投じて後にするが良いが, 完全には中和せずに其の儘蒸溜し, 必要に應じて溜液を中和後再溜に附するが良い。

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