日本釀造協會雜誌
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醸造酢と合成酢の鑑別 (第3報)
ガスクロマトグラフィーによる中性微量成分の検出
伊藤 寛海老根 英雄
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1975 年 70 巻 4 号 p. 271-276

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抄録

醸造酢と合成酢の鑑別にガスクロマトグラフィーを用い, 中性微量成分を検索し, かっそれらの定量を行なった。米酢, 粕酢, アルコール酢, 麦芽酢, リンゴ酢やブドウ酢の中性成分は種類により含有量は異なるが多いものとしてエチルアルコール, アセトイン, 酢酸エチル, アセトアルデヒド, 次にオクチルアルコール, 2.3ブチレングライコールが多くさらに含量は少ないがどの醸造酢にも含まれるものとして酢酸ブチル, 酢酸アミル, 酢酸イソアミル, イソブチルアルコール, イソアミルアルコール, フルフラールが検出された。
合成酢酸にはアセトン, オクチルアルコール, フェニルアセトアルデヒド, イソブチルアル瓢一ル, ヘプチルアルコールと未同定物質を検出した。この他にエチルアルコール, 酢酸エチル, フルフラール, およびa3ブチレングライコールの認められるものがあった。ただし合成酢酸にはジアセチル, アセトイン, 酢酸イソアミル, 酢酸アミル, プロピルアルコールやイソァミルァルコールは検出されなかった。

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