1975 年 70 巻 7 号 p. 509-512
清酒を処理した活性炭から60%エタノール及びアンモニア含有60%エタノールで呈味成分を溶出し (活性炭吸着物と称す), 清酒及び合成清酒への添加効果を調べた。その結果, 活性炭吸着物は低濃度では清酒及び合成清酒の幅やふくらみを増加させ, 高濃度になるにつれ雑味から苦渋味を示すものと考えた。
活性炭吸着物のうち, Dowex50に吸着される塁味性成分として, 渋味を示すものはチμ シン, 苦味を示すものは, フェニルアラニン, トリプトファン, イソロイシン, イソロイシルーフェニルアラニン・フエニルアラニルーロイシン, フェニルアラニルートリプトファンの他, 未知のトリプトファン含有苦味成分の存在を知った。