日本釀造協會雜誌
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清酒醸造に関連する諸酵素の研究 (第3報)
醸造関連酵素の反応速度に対する温度係数
岩野 君夫布川 弥太郎
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1976 年 71 巻 10 号 p. 792-795

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抄録

最適温度で測定される各種酵素活性を実際の醸造の温度領域 (7-20℃) に反映するために必要である酵素反応速度と温度との関係について検討した結果, 酵素活性の測定温度a-amylase 40℃, glucoamylase 40℃, acidprotease 38℃, acid carboxypeptidase30℃ での反応速度はアレニウス式 (k=ae-E/RT) により, 清酒醸造の温度領域に変換が可能であることを知った。Asp. oryzaeのα-amylaseおよびB. subtilisの液化型amylaseの活性化エネルギーは9.84kcal/mole, Asp. aryzae, Asp. nigerおよびRhizopusのglucoamylaseの活性化エネルギーは13.1kca1/mole, Endomycesのglucoarnylaseの活性化エネルギーは11.7kcal/mole,Asp. oryzaeのacidproteaneの活性化エネルギーおよびAsp. oryzaeのacid carboxypeptidaseの活性化エネルギーは同一で9.70kca1/moleであった。

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