日本釀造協會雜誌
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酒造米の水分と酒造適性 (第4報)
白米の初期吸水に対する品種特性
永田 興四郎大島 雄野々村 弘米崎 治男
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1979 年 74 巻 3 号 p. 183-185

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抄録

白米の初期吸水の形態を観察し, 吸水評点としてあらわして, 白米の水分の影響ならびに品種特性をしらべた。
1.白米を水に浸漬した時の吸水評点の経過をみると, 心白粒>腹白粒>無白粒, 水分の少ないもの>水分の多いもの, 出穂期の遅いもの>出穂期の早いものの関係が成立ち, 品種別では山田錦>五百万石>金南風>目本晴の順に吸水評点が低くなるが, 山田錦は無白粒でも吸水評点が高く, 五百万石は無白粒の吸水評点がきわめて低い特徴をもつ。
2.心白粒, 腹白粒は吸水時に亀裂を生じて粒内部からの吸水を助けるため吸水が速くなり, 吸水評点も高くなる。
3.吸水評点は, 吸水率に吸水亀裂性を加味した評点としてあらわれ, こうじ米適性の判定に有効な方法と考える。

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