日本釀造協會雜誌
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多様化清酒のタイプと成分 (第4報)
低アルコール酒について
大塚 謙一醸造試験所所員一同
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1980 年 75 巻 11 号 p. 926-930

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抄録

低アルコール酒76点につき, 官能評価 (総合品質, 濃淡, 甘辛, 汚麗, 老若, 酸味, 苦渋味, 香り等) 並びに成分 (日本酒度, 酸度, アミノ酸度, 直糖, 3-DG, ピルピン酸, 着色度, 加温着色, pH, 緩衝能, フェリクローム類, 火落性等) の分析を行い, これらの相関マトリックス, 主成分分析 (バリマックス回転) さらにクラスター分析を行った。東京局やわくち.長野県産酒, その他酒の3グループを比較すると, pH, アミノ酸度, 酸度, ピルビン酸に差があり, バリマックス回転により抽出された第2主成分 (酸味) と第3主成分 (アミノ酸) とに関して試料得点をプロットすると3つのクラスターに区分された。やわくちは酸が多くアミノ酸が少い, 長野県産酒は酸が少くアミノ酸が多い, その他酒は酸・アミノ酸共に少いという特徴がある。さらにこれらと第4主成分 (甘辛), 第5主成分 (フェリクローム類), 第6主成分 (3-DG), 第7主成分 (異臭), 第8主成分 (吟香), 第10主成分 (苦渋味) の試料得点についてオクタグラムを作図すると第2~第5主成分の様相にそれぞれ特徴が見出された。

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