1980 年 75 巻 4 号 p. 327-331
ブドウ果汁およびワイン中のアルコール, ポリオールおよび糖類等の諸成分を, 陽イオン交換樹脂, Diaion CK-08 S (Ca++) を用いて分離し, 示差屈折計で検出する液体クロマトグラフィーで同時定量する方法を検討した。
1) 16成分が約30分で検出された。これらのうち, 主要6成分 (エチルアルコール, グリセリン, ソルピット, グルコース, フラクトース, シュークロース) は, 十分に分離し, また, これらの検量線は, 0~2mg/rnlの範囲で良好な直線性が得られた。
2) 主要6成分の回収率, 定量の再現性および分析精度は, いずれも良好であった。
3) ブドウ果汁および貴腐ワインを含むテーブルワイン等 (16点) の主要6成分が, 本法により迅速かつ精度良く定量できた。