日本釀造協會雜誌
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清酒の熟成による香味の変化に関する研究 (第20報)
清酒中の中高沸点硫黄化合物の検索
大場 俊輝高橋 康次郎飯田 修三北本 勝ひこ佐藤 信難波 康之祐
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1981 年 76 巻 7 号 p. 487-490

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抄録

清酒中の中高沸点黄化合物をFPD-GCで検索し, 次の結果を得た。
1) 新酒をク博戸ホルムで抽出し得た香気濃縮物を, FPD-GCで分析した結果, 8個のピー・クを検出した。そのうち, ピーク強度の一番高いピーク物質をメチオノールと同定した。
2) メチオノールは, 新酒に多く古酒になると検出されなかった。
3) メチオノールは, 酵母によるメチオニンの代謝生産物であり, 清酒中での閾値は鼻でかいた場合1.65ppmであった。香りは, 濃い場合にはメチオニン臭, 淡い場合には漬物臭を呈した。

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