日本釀造協會雜誌
Online ISSN : 2186-4004
Print ISSN : 0369-416X
ISSN-L : 0369-416X
米粒中に含まれる塩素の定量
難波 康之祐河野 正義北本 勝ひこ中村 欽一
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 77 巻 8 号 p. 549-552

詳細
抄録

酒米のC1のより簡便な定量法を次のように設定し, 1~3の結果を得た。粉砕した白米から0.1NHNO3で抽出した液を, イオン交換樹脂Dowex50-X4を通過させたのち, 吸光光度法でC1を定量する。
1.白米抽出液をそのまま定量すると, 測定値が404ppmと高かったが, イオン交換樹脂を通過させたものの定量値は172ppmと白米を灰化したものとほぼ等しくなり, 妨害イオンを除去することができた。
2.玄米を貯蔵したのちに精米し分析した結果から, 貯蔵中のC1の米粒内部への移行を確認し, 精白度の高い酒米についての定量値 (30°, 5ケ月貯蔵で268ppm, 同9ケ月で312ppm) を得た。
3.各種酒米のC1を定量した結果, 古米では300~370μg/g一白米乾物, 新米では125~310μg/g-白米乾物であった。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事 次の記事
feedback
Top