日本釀造協會雜誌
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協会10号酵母と協会9号或いは協会7号酵母との交雑による有用清酒酵母の造成
原 昌道若井 芳則嶋崎 孝行北野 一好
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1983 年 78 巻 6 号 p. 449-452

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抄録

協会10号酵母 (K-10), 9号酵母 (K-9), 7号酵母 (K-7) のハプロイド株の中から, 発酵力が正常で香りのよいハプロイド株, K-10 H-4 (α), K-9 H-14 (α), K-7 H-3-3 (α) を選択し, これを用いてK-10×K-9, K-10×K-7の交雑株を造成した。
つぎに造成株による70%, 50%精白米の清酒小仕込を行い, 発酵力が正常で酸の生成が比較的少なく, 香りのよい交雑株MK-9-1-3-3 (K-10×K-9) とMK-7-14-2-1 (K-10×K-7) の2株を選択した。両株ともK-10よりもアルコール耐性が強く, もろみ末期において死滅しにくい。つぎにこの両株を用いて吟醸酒母を造り, その芳香性からMK-9-1-3-3を選び, 吟醸仕込を行った。発酵は正常で, 吟醸香の高い良酒が得られた。以上の結果から本酵母は吟醸用として十分使用できることを認めた。

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